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Ballet
Original Artwork
Original Film - Living Contemporary Motion Graphics
Artist: Seiichi Hishikawa
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『PRELUDE』『Airline』に続くLiving Contemporary Motion Graphics。バレエを踊っている時の体内の血流をイメージしている。赤血球、ヘモグロビンが音楽に合わせて血管の中で流れながら弾ける。血小板がリズミカルに呼応する。血液の鼓動にゆられるような感覚。赤と黒のコントラストにより体内の細胞や血が浮かび、楽曲の感情が現れていく。感情の高まりと同期するように血液はまるでそれそのものが生命体であるかのように形を変え、躍動し、そしてまた元の姿へと戻ってゆく。モーショングラフィックス表現によるナラティブアークのごとく、時に静かに、時に熱く、生命の持つ生きた流れを表現している。
音楽が流れた時に人の体で何が起こっているか。を題材に血流の表現を模索した作品。音楽を創作した鈴木とやりとりしながら、足がステップを踏む、つい手を叩いてしまう、というのを音楽の中に込め、赤血球や血小板などが血管の中で踊り出すようなモーショングラフィックス作品に仕上げた。
1997年にわたしたちが提唱した「モーショングラフィックス」はこの作品を作った2002年頃には認知度も上がり、世界に広まったことは大いに嬉しかった一方で、ローコストで制作できる映像手段となっている事例も増えて忸怩たる思いもした。以降、自分の制作においてのモーショングラフィックスと少し距離を置いて、教育の現場で「モーショングラフィックスは表現であり、作風なのだ」と話している。
それから20年後の今、また作風としてのモーショングラフィックス表現のタイミングなのではないかと感じて新作をつくっている。
— 映像作家 菱川勢一
Thanks to
Animator: Nobuhiro Jogano
Music: Goji Suzuki